卒業生エピソード①
2020/11/14 14:27
中等部卒業生のエピソードです。
中等部卒業生の親御さんからこんなご報告を受けました。
「高校卒業後は、洋裁の専門学校に通うことになりました。」
その子は盛岡ユースセンターでの手芸や調理実習をとても楽しみにしていました。少し不器用ですがとても丁寧で、チャレンジしたい!という気持ちが大きい子です。
手芸や調理実習の中で彼女がいつも言っていたのは、
「学校では私が遅いから待ってくれないんだよね」
「みんな私が遅いから何もやらせてくれない」という言葉。
学校の授業という決まった時間の中で
彼女はチャレンジすることすら難しく、いつも悲しい思いをしていました。
盛岡 ユースセンター卒業が近づいてきた2月、
彼女はミサンガ作りにチャレンジしました。
選んだのはハート柄のミサンガです。
もっと簡単なミサンガはいくらでもありました。
私は内心「諦めてしまうかも・・・」と思いながら、
違うものに誘導しようか、それとも私がどんどんお手伝いしようか、
など、どうにかして完成させる方法を考えていました。
しかし考えているうちに彼女はどんどん準備を進め、頑張って作り始めました。
結果は2、3cmしか進まず。未完成です。
でもその時の彼女はがっかりすることもなく、
とてもとても嬉しそうで、
「家でやりたいから、作り方印刷してください!」
と言い、笑顔で帰宅していきました。
そうした彼女が選んだ「洋裁の道」です。
好きなことを極めるんだ・・・!
と、なんとも言えない、温かい気持ちでいっぱいになりました。
心から応援しています。
子ども達のチャレンジを大人の方が心配をしてしまい、
止めてしまったり、手伝ってあげてしまったりすることは、
ご家庭でも、学校でも、フリースクールでもあると思います。
もちろん手助けが必要な子もいたり、
失敗経験をさせないようにすることが最善だったりすることもあります。
でも生徒たちは「チャレンジをする」ことで確実に成長します。
少なくともユースセンターでは、生徒自身が「やりたい」と
言ったことに対しては、全力で応援したいと思っています。
ある時はミサンガだったり
ある時は小麦粉からうどんを作ってみたり
ダンボールで家を作りたいと一緒にスーパーへ行ったり
チェスのルールはスタッフも分からないので一緒に検索したり
小学6年生で、中学校で習う正負の数をやったり
「やっぱり難しかったですね」となることもあれば
「もういやだ!」となることもありますが、
長い時間が経ったあとに、
「そういえば去年あれやりましたよね。結構楽しかったですよね。」と
ふと言われることもあります。
毎年ユースセンターで進路セミナーを行ってくださっている
キャリアプロデュース株式会社の桑名暢先生は、
「子ども達は、目指せないのが一番辛いんです」
といつもおっしゃっています。
出来なかったことではなく、チャレンジできなかったことが
心残りになってしまうと。
小さなチャレンジで良い、途中でやめても良い!
ユースセンターではこれからも生徒たちの持っている
たくさんの才能や興味の芽を
大切に、大切に育てていきたいと、思っています!
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