応援メッセージ:①山本 駿さん / NPO法人D.Live
2020/7/31 08:14
「ナナメの関係」という言葉があります。
先生と生徒、親子などといった「タテの関係」ではなく、かといって友達のような「ヨコの関係」でもない。たとえば近所に住んでるおばちゃんや、いとこのお兄ちゃんなどと言えば、その関係性がなんとなくわかってもらえると思います。
私(滋賀県で不登校支援を中心に活動しているNPOのスタッフです)がASOVIVAさんと仲良くさせていただくようになったのは昨年の初めのことでした。そこからいっしょにキャンプを企画したり、私がASOVIVAさんに遊びに行かせていただいたり、あるときは不登校の保護者会でゲストスピーカーとしてASOVIVAメンバーを滋賀にお呼びしたり、と様々な活動をともにして、気がついたことがひとつあります。
ASOVIVAでは、子どもたちがごくごく自然に「かおりん!」「りょんりょん!」と、大人のスタッフをニックネームで呼ぶことなど珍しくありません。かおりん「さん」ではなく「かおりん」なのです。その自然さは、ふだん年長者を極力「○○さん」と呼ぶようにしている私ですら、おのずと「かおりん!」「りょんりょん!」と呼んでしまうほどです。そしてそれを受け容れてくれる土壌があるのも、また心地よいのです。
思い返せば、私が小学生だったころも、こうした「ちょっと年上のお兄さんお姉さん」や「先生や親ではない大人」が遊んでくれる場というのはすごく楽しかった。父の職場にいた、クレヨンしんちゃんの声真似が抜群に上手かったお姉さんはどうにも忘れられません。外に出れば近所に住んでいるお兄さんがキャッチボールの相手をしてくれたこともありました。でも向こう三軒両隣に誰が住んでいるか知らないことも珍しくなくなった今、子どもたちがこうした「ナナメの関係」の大人に出会える機会がぐっと減っているように思えます。
東京で初めて民間人校長に就任した藤原和博さんも、タテヨコの関係ではないこの「ナナメの関係」の大事さを説いています。親でも先生でも友達でもない「第三者」と子どもたちが関わることで人間関係が豊かになり、コミュニケーション能力を向上させることができる。それが自己肯定感を高め、自分が自分であっていいんだ、という感覚を育むことにつながります。
ASOVIVAの子どもたちとスタッフ(大人)の関係は、まさにこの「ナナメの関係」そのものだと思います。そして不思議なことに、年に1度か2度しか遊びに行けない私ですら、ASOVIVAにお邪魔すると気づけば「ナナメの関係」の一員になっているのです。こんなに自然と子どもたちとスタッフが「ナナメの関係」を築ける場所は、日本全国見渡してもものすごく貴重であることはまちがいありません。
緑豊かなのんびりとした空気が流れるこの地で、こうした自然な「ナナメの関係」に出会える子どもたちがひとりでも多く増えますように。ASOVIVAさんのこれからをいつまでも応援しています。そしてまた、ちょっと癒やしが欲しいときにふらっと遊びに行かせてくださいね。
山本 駿 / NPO法人D.Live http://www.dlive.jp/
【お知らせ】
本日7月31日21時から、NPO法人D.LiveさんのYouTubeチャンネルで、「ざつだんD.Live」の生配信があります。
今回は、ASOVIVA!スタッフの吉元も参加させて頂き、「不登校初期の保護者の葛藤」をテーマにD.Liveのお三方とお話させて頂きます。ぜひご覧ください。
配信URL
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