「島」~バングラデシュのBDP小学校の生徒の作文から
2020/7/5 21:43
「Sahidur、起きなさい。もう朝よ。兄弟(ShihabとKalif)を連れてお父さん(Sajol Miah)のところに行きなさい。早く行って並ばないと、救済金を受け取れなくなってしまうわよ。この前、列に並ぶのが遅かったせいで受け取れなかったのを覚えているわよね。」
「お母さん(Sharmeen Begum)、でもまだ朝の5時だよ。本当にこんなに早く列に並ばなきゃいけないの?」
「そうよ。ブツブツ言ってないで早くしなさい。お父さんもあなたたちの事を待ってるわよ。」
寝ぼけ眼のまま、僕は2人の弟を揺さぶり起こしに行った。新型コロナウイルスによるロック・ダウンが始まってから、僕たちの生活は本当に悲惨だ。だから、お父さんと兄弟と僕で政府の救済金を受け取りに行ったんだ。昨日は個人向けの救済金の配布が行われていたんだけど、人が多すぎて、受け取り場所にたどり着くことさえ難しかった。今日の救済金受取所は1時間半かかるところにあるのもあって、今日は前に行けるように家を朝早く出た。
僕たちの村は二つの大きな川に挟まれていて、雨季には島になる。僕たちの村には電気が通ってない。政府の規制によると、僕たちの島は居住に適していない上に、人里離れているからだ。僕たちの島には250世帯、およそ2300人が生活している。政府が国内の行き来や、移動手段を厳しく制限するようになり、警察の取り締まりが厳しくなると、村のみんなは仕事を見つけることが難しくなってしまった。
僕、SAHIDIR ISLAMは、BDP Surjanagar小学校の五年生だ。僕の夢は、将来良い仕事について、僕の家族が陥っている状況を少しでも改善すること。先生たちは、誠実に努力をし続ければ、良い未来を築くことができると言う。だから、僕はそうやって生きるつもりなんだ。この前、学校が対新型コロナウイルス用のプレゼント(マスクと手洗い石鹸)をくれて、とっても驚いた。僕も、BDP学校に通う僕の兄弟たちも貰えたんだ。ただ、学校がずっと閉鎖されていて、電話料金を払えないために先生と話すこともできない中、PSCテスト(小学校の卒業試験のようなもの)を合格できるかどうかが心配だ。全能の神が僕たちの祈りを聞いてくださり、新型コロナウイルスとウイルスが招いた苦しみを消し去って、僕たちがみんな元の生活に戻れるよう、希望を抱き、祈っている。
ダッカ・ボクシガンジ地区 Surjanagar BDP小学校
SAHIDUR ISLAMくん(13歳、小学5年生)
← 活動報告一覧へ戻る