2025年の夏、花火が上がる直前の静寂の中で、私の手をぎゅっと握ったおじいさんがいました。
「来年も、頼むよ」
その手の温もりと、少し震える声。今も、ふとした瞬間に思い出します。
私たち「東長崎商工会青年部」は2025年、コロナ禍で途絶えていた東長崎の花火大会を6年ぶりに復活させました。そして今年2026年8月29日、皆様のおかげで2年連続の開催を果たし、あの約束を守ることができました。
この花火は、単なるお祭りではありません。
1982年、299名の命を奪った「長崎大水害」。あの悲しみを忘れないこと、そして町の復興を誓うこと。そんな「祈り」から始まった火です。
けれど、復活も、2年連続の開催も、ゴールではありませんでした。
物価高騰や安全対策費の増大。一回きりの打ち上げなら無理をすればできるかもしれません。でも、今年生まれた子が成人したときも、この花火が上がっている。そんな「当たり前の未来」を作るには、まだ私たちの力だけでは足りません。
そこで今回は、開催直前の短い期間ではなく、来年の大会に向けて長い期間をかけて、毎年の花火大会を支えていただく仲間を募ることにしました。
東長崎を愛する皆様。この町の夜空を、一緒に見上げる仲間になっていただけないでしょうか。
ストーリー
1982年7月23日の記憶。私たちが「花火」を上げる、本当の理由。
こんにちは。東部地区花火大会実行委員会です。私たちは、長崎市の東部に位置する東長崎地区で商売を営む、45歳までの若手経営者や後継者の集まりです。

私たちには、この町で生きる人間として、大切にしている記憶があります。
昭和57年(1982年)7月23日。長崎大水害。
わずか数時間で299名もの尊い命が奪われたあの夜、東長崎の町も激しい濁流に飲み込まれました。
私が子供の頃、近所のおじさんから当時の話を聞いたことがあります。「あの日は怖かったばい」と笑うおじさんの目が、一瞬だけ遠くを見たのを覚えています。
その翌年から、犠牲者の慰霊と町の復興を願って始まったのが、この花火大会です。
「私たちは忘れていませんよ」「ちゃんと覚えていますよ」
夜空に咲く大輪の華は、町から天国へ送る、ささやかな返事のようなものでした。
35年以上、東長崎の夏の終わりを告げる音として、当たり前のようにそこにあった風景。しかし、2020年からのコロナ禍は、その「当たり前」を容赦なく奪っていきました。
「自分たちの代で終わらせていいのか」——小さな不安と、大きな決断
お祭りが中止になり、静かになってしまった東長崎の夏。
「このまま、この花火はなくなってしまうのではないか」
そんな不安が町を包む中、私たちの中で一つの問いが生まれました。
「自分たちの代で、この大切な火を絶やしてしまっていいのだろうか」
正直に言えば、最初は迷いばかりでした。「商売だって楽じゃない時期に、誰が資金を集めるんだ」「責任は誰が取るんだ」という声もありました。大きな金額を前にして、足がすくむ夜もありました。

けれど、私たちはこの町で生かされている当事者です。お客様に支えられ、この町で家族を養っています。
「やれない理由」を探すのではなく、「どうすればできるか」を語り合いたい。
その一心で、私たちは6年ぶりの復活に向けて走り出しました。
80年目の笑顔と、夜空にかざされた「再会の写真」

そうして2025年、ようやく成し遂げた復活開催。そこで私たちが目にしたのは、数字や理屈では語れない、大切な「光景」でした。
「東長崎で生まれて80年、こんなに綺麗な花火は初めてよ」
最前列で見てくれていたおばあさんからその言葉を聞いた瞬間、それまでの不安がすーっと消えていくのが分かりました。
また、ある車椅子のおじいさんの姿が今も目に焼き付いています。
彼は、前の年に亡くされた奥様の写真を、一発一発の花火が上がるたびに、高く夜空にかざしていました。
まるで、隣にいる奥様に「ほら、今年も上がったよ」と語りかけているかのように。
帰り際、付き添っていた娘さんが教えてくれました。「父は、この日を本当に楽しみにしていたんです」
そして、おじいさんは私の手を強く握り、こう言いました。
「来年も、頼むよ」
その手の温もり。花火は、ただの火薬の燃焼ではありません。
誰かにとっては亡き人との再会の場所であり、誰かにとっては「明日からまた頑張ろう」と思える心の拠り所なのだと、教えられた気がします。
2026年、約束の花火。ご支援くださった皆様へ
あの約束から1年。2026年8月29日、東長崎の夜空に、今年も花火が上がりました。

今年初めて挑戦したクラウドファンディングでは、39名の方から241,718円のご支援と、たくさんの応援メッセージをいただきました。地域を回ってお願いした協賛金とあわせ、皆様のお力で2年連続の開催を実現することができました。本当にありがとうございました。
花火玉数は少ないながらも、「今まで観たなかで一番良かった!一番感動した!」という
お声を多数いただいております。
その言葉を聞けたことが、私たちにとって何よりの励みです。
なぜ今、長い期間をかけてご支援を募るのか
2年続けて花火を上げることができました。しかし、続けていくためには厳しい現実があります。
花火玉の値上げ、安全確保のための警備費、会場設営……。


一度の開催に、1,000万円近い費用がかかります。
私たちは毎年、自分たちの足で地域を回り、一軒一軒の企業様にお願いをして協賛金を集めています。復活の年には、そうして520万円という大きなご支援をいただきました。
けれど、物価高騰の波は想像以上に大きく、開催直前の数か月で必要な資金を集めきることは、年々難しくなっています。
そこで今回は、大会の直前だけでなく、来年の夏まで長い期間をかけてご支援を受け付けることにしました。東長崎の花火を応援したいと思ったときに、いつでも気持ちを届けていただける。そんな「花火のための募金箱」のような場所にしたいと考えています。
私たちが目指しているのは「打ち上げること」そのものではありません。
この花火を、10年、20年と続く「地域の宝」として、次の世代へ確実に引き継ぐこと。
今年生まれた子が、20年後に成人式を迎えたとき。
「俺たちの町には、かっこいい大人たちが守り抜いた花火があるんだ」と胸を張って言える。
そんな「当たり前の未来」の土台を、今、この瞬間から作りたいのです。
「地域」という土壌を、共に耕す仲間になってください
私たちにとって、地域とは「土壌」です。
土壌が豊かであれば、木は深く根を張り、立派な大樹に育ちます。商売も、子育ても、日々の暮らしも、すべてはこの「地域」という土壌の上に成り立っています。
希薄になった地域の繋がりを、もう一度強く結び直したい。
知らない人同士が同じ空を見上げ、「綺麗だね」と言い合える数十分間を守りたい。
そして何より、子供たちに「一度消えかけた火も、みんなで力を合わせれば、もう一度灯せるんだ」という背中を見せたいと思っています。
私たちは、この町が好きで、あの時のおじいさんの笑顔をもう一度見たいと願う、一人の住民です。
今回のクラウドファンディングは、「東長崎の未来を共に作るサポーター」の募集です。


資金の使い道と、私たちが約束すること
皆様からいただいたご支援は、【2027年8月28日】に予定している次回大会をはじめ、毎年の花火大会の開催費用として大切に使わせていただきます。
- 花火玉の購入費用:夜空を彩る、祈りの火そのものです。
- 会場設営・ステージ費用:皆様を安全に迎えるための場所を作ります。
- 交通誘導・警備費用:事故なく、安心して楽しんでいただくための守りです。
- 保険・清掃費用:開催前よりも綺麗な町にするための責任です。
支援してくださった皆様の想いは、私たちの感謝とともに、東長崎の夜空いっぱいに咲かせます。
準備の様子など、LINEとInstagramでお届けします


花火大会専用の公式LINEができました。Instagramとあわせて、来年の大会に向けた準備の様子や最新のお知らせを発信していきます。ぜひご登録・フォローをお願いします。
- 公式LINE:https://line.me/R/ti/p/@697burpe
- Instagram:https://www.instagram.com/higanaga_hanabi?stkn=MWRsNWZ2ZWFkMXFu
最後に——「来年も、頼むよ」の約束を、これからも果たし続けるために
あのおじいさんとの約束。
「来年も、頼むよ」
その言葉に応えるために、私たちは来年に向けて、もう一歩を踏み出しています。
一発の花火が上がるまでの裏側には、何百人もの人の汗と、何千人もの人の想いがあります。
その想いの連鎖こそが、町を元気にし、人を動かす原動力になると信じています。
「今年も上がったね」
「やっぱり、東長崎の夏はこれがないとね」
そんな声が響く夜を、来年も、その先も作りたい。
10年後、今の子供たちが大人になったとき、「あの時、俺たちも一緒にこの火を守ったんだよ」と、一緒に笑い合えたら。
どうか、私たちと一緒に、東長崎の夜空に希望の火を灯し続けてください。
皆様の温かいご支援とご協力を、心よりお願い申し上げます。
東部地区花火大会実行委員会 東長崎商工会青年部 一同

