きっかけ家は、2024年8月にオープンした「出会いを大切にできる場所」です。
忙しく、息苦しさも感じる毎日のなかで、ふと足を止めて好きなことに出会ったり、誰かと話したり。たとえ何もせずそこにいるだけで許される場所。
そんな場所があればいいと、私たちは日々、きっかけ家を運営しています。
オープンして2年が経ち、地域の子どもたちや大人の皆さんと少しずつ「自分らしくいられる安心の土台」へと育ててきました。
これからも「きっかけ家」が、必要としてくれる人たちの日常の中に存在し続けるために。そしてこれからも色んな人と共につくり、育て続ける場所であるために。
今回、きっかけ家が2周年を迎えたことを記念して、いつもこの場所を支えてくださるみなさんに改めて感謝の気持ちをお伝えし、その上で、共にこの場所を維持・継続していくための基盤をつくるためのクラウドファンディングを行うことにしました。
ストーリー
1. “余白”が誰かのきっかけをつくる

「ここに来るようになってから、なんか楽しいんだよね。」
「きっかけ家がなかったら、ちょっと人生つまらなかったと思う。」
子どもたちからふと放たれた言葉を聞くたびに、私たちは心の底から「この場所を開いて良かったな」と実感して嬉しくなります。
場所を開いて約2年。今のきっかけ家は、色んな方が色んな目的で訪れてくれる場所になりました。
平日の午前中は、地域の大人たちが遊びに来てくれたり、学校ではない居場所を求めて通ってくれる子が居たりします。
午後になると、放課後の子どもたちが訪れて、工作をしたり、ゲームをしたりしながらのんびりとした時間を過ごします。
土日になれば、真剣に書道に取り組んだり、水彩画教室が開かれたりするし、
時には、イベントスペースとして使われることも。
きっかけ家には、レンタルスペースの機能もありますが、ただ空間を貸し出すだけの普通のレンタルスペースではありません。地域の人の得意なことや、「大人になってからやってみたかったこと」を一緒に実現するイベントを一緒に開いています。いろんな人と「きっかけ」を届けられる、温かみのある場所を目指しています。

初めての挑戦、新しい友達、地域の仲間との出会い・・・
きっかけ家で過ごしていると、そんな素敵な瞬間にたくさん立ち会うことができます。
何をしていても、何をしなくてもいい。
自分らしくいられて、出会った人と関係性をゆるやかに育んでいく。
来た人が自分で関わり方を決められる“余白”があることが、この場所の特徴です。
2. 安心できる基盤から、好奇心が生まれる

そもそもなぜ、私たちがこういう場所を運営しているのか。
私たちは、何かに挑戦しよう、頑張ろうと思ったり、好きなことを見つけて一生懸命になったりするには、心の中の土台に「安心できる領域」が必要だと考えています。
この世界には、たくさん面白いことがあって、面白い人がいる。でも、心が閉ざされている状態だと、それらに気づくことも出来ないし、好きになったり面白がったりすることは出来ません。
心理的な安心の基盤があるからこそ、好奇心が育っていく。私たちは日々、目の前の人たちと向き合いながら、その基盤を広げていきたいと思っています。
また、誰よりも私たち自身が「居場所」を必要としているようにも思います。たとえば、メンバーの中には、子どもの頃に家も学校もあまり居心地の良い場所ではなく、安心できるような場所が欲しかった経験を持つ人もいます。他にも、一度企業に就職して体調を崩してしまった時期に、きっかけ家があったことにすごく救われたメンバーもいます。
「過去の自分を救うため」「私たち自身が自分らしくいられるため」に続けていることが、結果的にだれかのためにもなっていたらうれしい。そんな気持ちで日々運営しています。
3.一緒につくり、変化し続ける日々

きっかけ家をオープンした当初、小金井市がどんな地域なのか、どのような人々が暮らしているのか、どのような課題があるのか、私たちはあまり分かっていませんでした。
この2年をふりかえると、少しずつどんな人がいるのかを知って、来てくれた人たちと対話をしながらこの場所がどう在るべきかを、常に試行錯誤しながら運営しています。
・平日のニーズがあるなら平日もオープンしてみようか。
・学校に行っていない子も来られるように午前中も開けてみようか。
・お母さんたちが困っているから、もう少し夜まで開けようか。
出会った人たちの声を聞きながら、時に一緒に考えていただきながら、常に柔軟に形を変え続けて今に至ることができました。これも、きっかけ家に足を踏み入れてくださる方があってこそだと思っています。
オープン当初、初めて開いたイベントに来てくれて、今もずっと通ってくれている子が
ある時、こんなふうに話してくれたことがありました。
「きっかけ家がなかったら、人生楽しくなかったと思う」
とある親御さんに「きっかけ家に行くようになってからすごく精神的に落ち着いて、宿題とかもちゃんと落ち着いてできるようになった」と言われることがあったり、
「ここがあったおかげで私も仕事を続けられました。本当に感謝しています」という言葉をいただいたり。そんな言葉に、つづける活力をいただいています。
最初は感情の表現が苦手で、何を話しかけても上手くコミュニケーションができなかった子も、毎日少しずつ通う中で、最近では心を開いてくれて、素直に会話ができるようになってきました。
できるようになったこと、話してくれるようになったことが増えるたび、私たちも嬉しくなります。
「じゃあ次は、どんなことができるかな?」
「きっかけ家に何があったらいいかな?」
これからも、沢山対話をしながら、一緒にこの場所をつくっていただけたら幸いです。
4.10年後も、戻って来れる場所でいるために
「ちっちゃい頃に遊んでいた公園の遊具が全部なくなっていて、すごく寂しかった」
メンバーが、地元に帰った時に感じた思いです。
ありがたいことに、今、きっかけ家を必要としてくれる人や無くならないで欲しいと願ってくれる人がいます。そういう人がいる限り、私たちはこの場所を続けていきたいと思っています。
最近では、使わなくなったおもちゃや工作道具、お菓子を寄付してくださる方もいて、とても助かっています。
現在、場所を維持していくための現実的な課題は、毎月の光熱費をはじめとした固定費です。月に10万円程度の固定費がかかっています。いつか自分たちで活動を支えきれなくなった時に場所を閉じてしまうのではなく、10年続く場所として地域に根を下ろすためには、運営の基盤をさらに強くしていく必要があります。

5.きっかけ家の樹を、一緒に育ててくださっている方へ

きっかけ家には、大きな木の絵が飾られています。
そして、私たちはいつもこの場所を「木のような場所」だと表現しています。
樹木がゆっくりと育ち、お日様が当たるところへ枝を伸ばしていくように。
10年後、どんなあり方をしているか、どんな場所になっているかは私たちにもわかりません。あえて決めていない部分もあります。
ただ、リアルタイムで関わる人たちの声を反映しながら、この場所をつくり、育て続けたいと思っています。
そして、10年後にここがどのような景色になっているか、誰よりもワクワクしながら迎えたいです。
いつも、きっかけ家を支えているのはお金だけではありません。
子どもたちと関わってくださる高校生以上のボランティアの方の協力はもちろん、使わなくなったおもちゃやカードゲーム、工作の材料などを寄付してくださる方など、本当にたくさんの方のおかげで、この場所は今日まで続いて来れています。
ここに遊びに来る子どもたち、イベントを開いてくださる地域の方々、この場所を物資や資金で応援してくださる方々。
そのすべての人たちと、この空間を共有したいと願っています。
子どもたちが大人になっても、またふらっと立ち寄れるように。新しく出会うだれかにとっての、安心の土台になれるように。
「ここがあってよかった」
そう思える場所を、これからも一緒につくってくださったら幸いです。
遊びに来てくれることはもちろん、この場所を気にかけてくれること、物資や寄付というかたちで応援してくれること、他の人にきっかけ家を紹介してくれること
全てが力になっています。いつも本当にありがとうございます。
これからも、皆さまと関わり、共にきっかけ家を育てていく時間を、心から楽しみにしています。
6.終わりにー私たちについてー

こんにちは、一般社団法人kikiです。私たちは“誰もが笑顔で自分らしく生きる世界”を目指して、東京学芸大発ベンチャーとして2024年に法人を設立しました。きっかけ家の運営以外にも「きっかけ屋さん」として、農家さんと連携した収穫体験や、ものづくりワークショップ、環境学習、探究学習指導など、小金井市を中心に学びを手段としたきっかけづくりの活動を行っています。メンバーは、東京学芸大学大学院で出会った前田彩世、阿部真弥、田中萌の3人です。
私たちは、大学院時代に木育の活動をきっかけに出会いました。子どもたちに木材や森林をテーマにしたものづくりやワークショップを届ける中で、教育者として「何かを教える、伝える」こと以上に、子どもたちが安心して過ごせる空間を用意したり、自分の興味を自由に深めたりできる余白のある時間や場所が必要だと感じるようになり、法人設立に至りました。
その矢先「使っていない場所があるから、活用して何か挑戦してみないか」とお声がけいただいたのが、約2年前の法人を設立したばかりのこと。ご縁を大切にしながら、きっかけ家の運営に日々挑戦し続けています。

