「学校に行きたくても、どうしても足が向かない」
「子どもの不登校や発達の悩みを、誰にも相談できずに抱え込んでいる」
そんな思いを抱える子どもや保護者の方々が、ふっと肩の力を抜き、ありのままの自分でいられる場所があります。
特定非営利活動法人フリースペースコティは、山口県下松市で「心が還るもう一つの家」を目指し、フリースクールや子ども食堂、子育て支援を行っています。
不登校や生きづらさは、決して子どもだけの問題ではありません。日々の子育ての中で孤独を感じている親御さんが安心を取り戻してはじめて、子どもたちも自分らしく歩み出すことができます。
NPO法人化から2周年の節目を迎えるいま、地域の皆さまとともに育んできたこの大切な日常を絶やさず、未来へ繋いでいくためにクラウドファンディングに挑戦します。
どうか私たちの「仲間」として、温かい手を貸していただけないでしょうか。
ストーリー
子どもと保護者が「心が還るもう一つの家」を目指して

みなさま、はじめまして。特定非営利活動法人フリースペースコティ代表の楠恭子と申します。
私たちは山口県下松市を拠点に、フリースクールをはじめ、子ども食堂「小さなキッチンキートス」、地域交流マルシェ、子育て世代への食支援など、多角的な居場所づくりに取り組んでいます。
現在、フリースクールや放課後支援等には登録を含めて15名の子どもたちが通っており、毎週火曜日の子ども食堂には地域の方々約30名、毎月のマルシェには年間でのべ100名を超える方々が集まっています。また、様々な事情で生活に困難を抱える約270世帯のご家庭へ食品を配付する食支援も行ってきました。
私たちが一貫して大切にしているのは、「一人ひとりが尊重され、安心して暮らせる社会の実現」です。前身となる下松市教育委員会、家庭教育支援チームでの活動から数えると、地域に根ざして約6年が経ちました。学校や家庭の中で生きづらさを感じている子どもや保護者が、無理に自分を変えるのではなく、心が還る場所として立ち寄れる「もう一つの家」を開き続けています。
現場で勤務していた時の葛藤と「親も幸せになれる場所」の必要性

私がこの活動を始める前は、学校現場や教育支援センターで教員・相談員・支援員として勤務していました。
日々子どもたちと向き合う中で目にしたのは、学校という枠組みの中で息苦しさを感じ、どんどん行き場を失っていく子どもたちの姿でした。発達ユニークさんだったり、環境の変化に馴染めなかったり、理由は様々です。組織の内側から体制や環境を変えようと試みましたが、行政や教育現場の枠組みを動かすことにはどうしても限界がありました。
「それなら、自分が学校の外に出て、子どもたちが本当に必要としている安心できる場所を自分たちの手で作ろう」
そう決意して学校・支援センターを退職し、居場所づくりを立ち上げました。
しかし、実際に教育相談や支援を重ねる中で、私は一つの大切な事実に気がつきました。不登校や子どもの行きづらさは決して子ども個人だけの問題ではなく、家庭環境や親御さんが抱える孤独や悩みが深く絡み合っているということです。
親自身が「自分の育て方が悪いのではないか」「誰にも相談できない」と苦しんでいる状態では、子どもも安心して休むことができません。
「親御さんが幸せになってこそ、子どもの世界も幸せになれる」
そう実感した私たちは、フリースクールと並行して、親向けのプログラム「ペアレント・トレーニング」や子育て相談など、保護者を孤立させないための取り組みにも力を入れるようになりました。
「自分を取り戻せた」――地域の中で育まれる変化

コティのフリースクールには、様々な理由で学校から足が遠のいた子どもたちがやってきます。最初は緊張で表情が硬く、周りと話すことができなかった子が、自分のペースで過ごすうちに、少しずつ心を開いていきます。
ある利用者の子どもは、「フリースクールに通い始めてから自分を取り戻せた!」と話してくれました。集団のペースに無理に合わせるのではなく、安心して自分を出せる時間を持てたことが、本来持っていた笑顔や自己肯定感を取り戻すきっかけになったのです。
また、私たちは「学校に行けないなら、地域に出ていこう」と考え、地域の方々と自然に関わる機会を意識的に作っています。
毎週火曜日に開く子ども食堂や毎月第1土曜日のマルシェには、子どもたちだけでなく、近所のお年寄りから小さなお子さん連れのご家族まで、幅広い世代が集まります。
子ども食堂を利用しているご家庭からは、「いつも3世代で通わせていただいています。ご飯も美味しくて、他のご家族との交流も楽しいです」といった温かい声が届いています。マルシェに参加される地域の方からも「買い物をしながら交流できるのが楽しみ」と喜ばれています。
子どもたちにとっても、学校や家庭以外の場所に「自分を温かく見守ってくれる地域の大人の存在」ができること。それ自体が、生きていく上での大きな安心感に繋がっています。
日常の小さな重ね合わせの中で、誰もが尊重される優しい繋がりが芽生えています。
活動の積み重ねと、日常を支え続けるためにぶつかっている壁
前身の活動から移行し、2024年9月に「NPO法人フリースペースコティ」として法人化を果たしてから、間もなく2周年を迎えます。
活動の輪は着実に広がり、子ども食堂には約10名のボランティアスタッフが関わってくださり、日々の運営を支えるスタッフも約7名が集まってくれています。以前、不登校に関する自主講演会を開催した際には、地域の内外から160名もの方々が集まり、多くの方が活動に賛同してくださいました。
しかし、活動が定着し、地域で求められる役割が大きくなる一方で、私たちは「日常の居場所をこれからも安定して維持していくための資金と体制」という大きな壁に直面しています。
現在、拠点としてお借りしている築80年の古民家は、毎月の家賃や光熱費で年間約50万円がかかっています。また、日々の現場を支えてくれているスタッフの多くは、他に仕事を抱えながらボランティア同然の形で関わってくれています。
現在は少しの謝礼や交通費をお渡しするのが精一杯の現状ですが、今後も責任を持って大切な子どもたちやご家庭に寄り添い続けるためには、スタッフへ適切な御礼を渡せるような安定した財務基盤の形成が欠かせません。
これまでは助成金や限られた自己資金を繰り回しながらなんとか繋いできましたが、一部の負担や善意だけに頼る運営では長続きしません。地域の中で「安心できるもう一つの家」を開き続けるためには、どうしても活動の足腰となる基盤を固める必要があります。
子どもと親がいつでも帰ってこられる拠点と体制を守るために
法人設立2周年の節目にあたり、私たちは30万円規模の基盤づくりを目指して、今回のクラウドファンディングに挑戦いたします。
目標金額の根拠となる資金の使途は以下の通りです。
- 拠点維持費(古民家の家賃・光熱費等の一部)
- 子ども食堂・フリースクール・子育て支援のプログラム運営費
現場で子どもたちの不安な声に耳を傾け、保護者の方の悩みに寄り添い、安全に居場所を維持・提供するためには、継続して関わってくれるスタッフの存在と安心できる拠点が不可欠です。
活動資金の基盤を安定させることは、単に団体の収支を整えることではありません。「明日も、来月も、あそこに行けば温かく迎え入れてくれる人がいる」という約束を、居場所を必要としている子どもや親御さんに届け続けるための大切な土台づくりになります。
一緒に子どもたちの「心が還る場所」を育てる仲間になりませんか
子どもたちが自分のペースを取り戻し、自分らしく笑顔で生きていけること。
子育てに悩むお父さん・お母さんが孤立せず、「一人じゃない」と実感できること。
私たちが目指すのは、そんな温かな関係性が地域の中に当たり前にある社会です。
一人の力や、一つの団体の頑張りだけでは、社会の仕組みを一度に変えることはできません。しかし、山口県下松市の古民家という小さな拠点から、一人ひとりが温かい手を差し伸べ合うことで、確実に変化の芽は育っています。
この取り組みは、私たちだけでつくるものではありません。この文章を読んでくださっている皆さまも、ご支援や応援を通じて、子どもたちを支える地域コミュニティの大切な一員です。
若者や子どもたちが安心して歩み出す姿を応援することは、応援する私たち大人にとっても、温かい繋がりや勇気をもらうかけがえのない体験になります。
「心が還るもう一つの家」を末永く守り育て、次の世代へとつないでいくために。
どうか私たちの思いに共感していただけましたら、温かいご支援をよろしくお願いいたします。皆さまと共に、この挑戦を歩んでいけることを心より願っております。
特定非営利活動法人フリースペースコティ 代表 楠 恭子


