私たちの取り組む課題
医療的ケア児を知っていますか?
医療の進展が進むにつれ、近年の日本では「医療的ケア児」と呼ばれる子どもたちが増加しています。
医療的ケア児とは「日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童」(医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律より)を指しています。
医療的ケア児の数は、2019年には全国で2万人以上いると推計されています。
10年前と比べると、6千人近く増加しており、今後も増えることが予想されています。
子どもたち・家族の置かれた現状
医療的ケア児をめぐる状況については、常時の医療的補助が必要なことから子どもたちの受け入れ先となる病院や障害者施設、学校などの施設が限られることや、主たる介護者となる家族の負担が長く指摘されてきました。
そんな中、2021年に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行され、各施設に対して受け入れに向けた努力の「義務化」や、窓口の連携をサポートする「ケアセンター」の設置が進みはじめています。
とはいえ、状況はまだ改善には程遠い状況にあります。
例えば介護者の負担を軽減する「レスパイト(休息・休憩という意味です」のニーズが高まっているのに対し、その受け入れ先となる医療型短期入所事業所の数は全国で349箇所にとどまっています。
また、私たちが活動する紀南地方のような、役所や民間の人手不足が深刻な地方では、どうしてもお金も人も足りず計画がなかなか進んでいない場所もあります。
子どもたち、家族ともに様々なハンデ・負担を背負ってしまう状況をどのように変えていくのか。
それは、どのようにインクルーシブな地域づくりを進めていくのかという課題でもあります。
なぜこの課題に取り組むか
私たちが目指すのは、みんなの命が平等に扱われる社会です。
それはこの世界に生きる一人ひとりが生存でき、社会の中で他者と共に与え合う可能性から排除されない社会でもあります。
私たちはたくさんの楽しい気持ちや心がワクワクするような経験、そしてその場や機会を子どもたちや家族に提供し、地域・社会と共に支え合う社会を築き上げていきたいと考えています。
誰かの近くに
誰かのそばに
誰にでも寄り添える存在でありたい
そんな想いを込めてNPO法人nearを設立しました。
寄付金の使い道
ご寄付は、私たちの活動資金として活用させていただきます。
私たちは、2つの方向から課題に取り組んでいきます。
1.目の前の状況を変える活動
今まさに受け入れ先がなく疲れ切って孤立していく子どもたちやその家族たちがいます。
まずはそうした方々の目の前で起きている困りごとを少しでも解決し、生きやすくしていくことが必要だと思っています。
▶医療的ケア児や家族に向けた、イベントの開催の実施。
2.制度・仕組みを変える
長期的には、地方で生きる当事者や家族の声を届け、一緒に制度や仕組みを変えていくことが必要です。
行政だけでなく、地域住民や民間企業にも働きかけていきます。
▶現状調査、講演・啓発活動の実施。