私たちの取り組む課題
盲導犬は単なる歩行手段ではありません。ユーザーと共に生活することで強い絆で結ばれる、かけがえのないパートナーです。
ユーザーは盲導犬歩行によって行動範囲が広がり、仕事やプライベートの時間を充実したものにできます。しかし盲導犬の利用継続には飼育に伴う費用のほか医療費などもかかり、さらには日々の管理も必要になるため、盲導犬を希望する方が少ないのも現状です。当会では盲導犬の認識を広め、盲導犬使用に関心のある方に寄り添い、自治体や盲導犬訓練所のご協力を得て取得をサポートしています。
ひとりでも多くの視覚障害者の方々に盲導犬歩行を経験していただき、快適で楽しい人生を送っていただけるよう活動を続けています。
なぜこの課題に取り組むか
あなたは視力を失うことを想像したことがありますか?
視覚障がいの中には、
*全盲(全く見えない)
*ロービジョン(視野が狭く足元が全く見えない・室内では僅かな視力があるものの戸外では昼夜問わずほぼ視界がゼロ・進行性の病気で徐々に視力を失う)
など、様々な症状があります。戸外での白杖歩行には危険も多くあります。また県内にはガイドヘルパーがほとんどいない地域もあり、とても不自由を感じておられます。
盲導犬との暮らしを経験したユーザーからは「盲導犬歩行により自由に出かけられる」「危険を回避して安定した速度で歩行できる」「外出することが楽しくなった」「一人じゃない安心感がある」など、たくさんの喜びの声が寄せられております。
徳島県では年間で盲導犬・聴導犬・介助犬のうち1頭だけに補助金が出る制度がありますが、条件には障害の等級などの制限があります。盲導犬を希望しても、育成団体への申込みや盲導犬候補犬との共同訓練など経なければならない過程は多く、希望すればすぐに盲導犬ユーザーになれる訳ではありません。
また盲導犬として活動できる年数は8年〜10年であるため、引退時期がくればユーザーは盲導犬の持ち替えをし 改めて共同訓練を行った上で盲導犬歩行を継続しますが、その育成費用にかかるユーザーの負担は非常に大きく、個人で取得・維持することはかなり難しいため各団体の援助が不可欠です。
このような状況のもと、当会は1989年に「民間で盲導犬ユーザーを!」という志を持ったメンバーで設立しました。その思いを引き継ぎ、現在も活動を継続しています。
寄付金の使い道
<盲導犬の導入にかかる費用・盲導犬の医療費など>
当会は盲導犬取得までの手続きをサポートし、育成費用の一部・共同訓練費用などを負担いたします。盲導犬希望者に最適な盲導犬が決まると、ユーザーと盲導犬は共同生活を通してお互いを知り、盲導犬のお世話や歩行を実践で学習していきます。 令和2年度は2名の方がユーザーとなり活動しています。小さい頃に病気によって視力障害をもち 動物がとても大好きな女性、大人になってから網膜色素変性症を発症し 鍼灸師をされている男性です。盲導犬に歩行をサポートしてもらい、パートナーとしてお互いの信頼関係を築きながら元気に活躍されています。そして、令和3年度にも、網膜色素変性症で視覚障害になり不自由を感じていた男性が盲導犬歩行を始めました。また、大阪から徳島市に転居された男性ユーザーも加わり、現在6頭の盲導犬が活躍しています。盲導犬の食費はユーザー負担ですが、医療費などは当会が支援しています。
<その他の費用>
盲導犬候補犬のパピー(仔犬)の医療費やサポート費用、引退犬の医療費などにも使います。
当会は日本ライトハウス盲導犬訓練所に盲導犬の育成・訓練・サポートとパピーの委託・サポートを依頼しています。