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任意団体

双極性障害ナレッジベース開発プロジェクト

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ビジョン

双極性障害(躁うつ病)の当事者の方々が持つあらゆる知恵と経験をデータベース化したWebサイト「BIPOGRAPHY」の開発と普及を通して、この病気に立ち向かう全ての人達の一助になりたいと考えています。

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私たちの取り組む課題

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■病気に人生を翻弄される当事者たち

精神障害の一つである双極性障害(躁うつ病)は、原因や治療法に未解明の部分が多く、現代医療では完治しない病気とされており、生涯に渡って付き合っていくことが求められる病気です。しかし、症状や有効な治療法、病気との正しい付き合い方といった点において多様性や個人差が著しいため、病気の症状に苦しめられるのはもちろん、人生をも翻弄される人が後を絶たず、加えて当事者間の互助や支援者によるサポートまで難しくしています。

※双極性障害の症状や患者数などの情報については下記の厚生労働省のページをご参照下さい。


■どうすればいいのか?答えは一人ひとり違う

双極性障害にこれからの人生を翻弄されずに生きるためには、躁うつの波を小さくし、再発防止のための手段を講じながら注意深く生活し、「寛解」と呼ばれる状態を長く維持していく必要があります。そのためには、薬物療法や精神療法に加えて、次のことを実践する必要があると考えています。


  • 躁状態やうつ状態の症状、躁うつの切り替わり周期やトリガーなどに対する理解を深めること
  • 躁状態やうつ状態の予防策、症状が出ている時の対処法などを身につけること
  • 障害があることにより生じる様々な社会的困難に立ち向かうためのスキルやノウハウを身につけること


しかし、これらに対する正解は当事者それぞれで異なるため、身につける以前に見つけ出すことすら容易ではありません。そこで、他の当事者が持つ知恵や経験といった情報(以降「ナレッジ(knowledge)」と表記)を参考にする行為が手助けになるのです。


■既存の互助活動を補完するための新たなツールが必要

当事者会に参加したりブログやSNSを見て回ったりすることで、他の当事者のナレッジを参考にしている方は既に数多くいらっしゃいます。しかし、「他の当事者のナレッジを参考にする」という行為に焦点を絞った場合、参考にできるのはいずれの場合も話し手の経験に基づくナレッジ、または話し手が知りうるナレッジに限定されますので、情報の多様性を実現するのは難しくなります。また、うつ状態の症状が強く出ている方、パニック障害や社交不安障害を併発している方などは当事者会に参加すること自体が難しいという課題もありました。

こういった既存の互助活動の苦手分野を補完するためには、当事者の方々が持つあらゆる知恵と経験を一箇所に集めてデータベース化し、Webサイト上で公開すれば良いのでは、と考えたのがこの「双極性障害ナレッジベース開発プロジェクト」の始まりです。多様性には多様性で対抗するのがベストだと考えたのです。

しかし、この「双極性障害ナレッジベース」があれば当事者会への参加や、ブログ・SNSでの交流が不要になるという訳ではありません。精神的な支え合いや励まし合いなどは当事者会ならではのものですし、当事者個々人の日々の暮らしや体調の推移、試行錯誤の様子などは、ご本人のブログやSNSを読んでこそうかがい知れるものだと思います。「双極性障害ナレッジベース」は、こうした既存の互助活動や互助ツールと共存しつつ、お互いの不足を補い合える関係になりたいと考えています。


■双極性障害ナレッジベースサイト「BIPOGRAPHY」を公開

Webサイトの開発に先立ち、2017年5~6月にReadforさんでクラウドファンディングを行いました。(プロジェクトページはこちら)その際に支援者の方々から頂いた資金と、その後に当事者の方々から提供して頂いたナレッジを基に、2017年12月、双極性障害ナレッジベースサイト「BIPOGRAPHY」(https://bipography.com/)を公開しました。

これにより、ユーザーは24時間いつでもお金や手間をかけずに様々なナレッジを検索・閲覧できるようになりました。その後も定期的にナレッジの追加やサイト機能の改善などの更新を続けています。2019年9月現在で、ナレッジを提供して下さった方の累計人数は98人、ナレッジの合計件数は457件となっています。

「BIPOGRAPHY」では、カテゴリーやタグ、フリーワード検索でナレッジの絞り込みができる他、特定のナレッジ提供者のナレッジだけを表示させたり、新たに追加されたナレッジだけを表示させたりすることもできます。

「BIPOGRAPHY」を閲覧して下さる当事者の方には、症状や躁うつの切り替わりパターン、これまでの人生や発症に至る経緯、性格や価値観、生活環境や家庭環境といった点で自分と類似点を持つユーザーのナレッジや、自分にとって取り入れやすいナレッジを優先的に試していくことで、自分なりの「病気との正しい付き合い方」を見つけて欲しいと考えています。

なぜこの課題に取り組むか

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◆苦しい時に励ましてくれた当事者仲間に恩返しがしたい

このプロジェクトの代表である私(白楽たまき)も双極性障害の当事者です。近年、重篤な症状だけは何とか未然に防げるようになりましたが、「病気の克服」や「体調の安定」といったものにはまだ程遠い状態です。

うつ状態の症状が酷かった時、仕事も家庭もメチャクチャになった時、そしてそこから少しだけ前に進もうとしていた時、当事者会やSNSなどを通して同病の方々に随分と励まして頂きました。その人達に恩返しがしたい。そして、症状に苦しめられ、人生を翻弄されながらも、必死に生きようとする全ての当事者の方々を何とかしたい。皆一緒に生き抜いて、幸せになりたい。そう思い、今回のプロジェクトを立ち上げました。


◆あらゆるナレッジのオープンソース化を図りたい

「BIPOGRAPHY」で目指しているのは、この病気の当事者個々人が持っているあらゆるナレッジのオープンソース化(無償公開)です。これにより、病気にこれからの人生を翻弄されずに生きていける人が増え、そうなることで更にナレッジベースの質と量が充実していく、という好循環が生まれることを期待しています。


◆支援者の負担を軽減させたい

この病気は当事者本人だけが努力すれば解決するというものではありません。どうしても周囲の人の理解や協力が必要になります。当事者を支えるご家族やご友人、福祉関係者の方々、職場の上司や同僚の方々のご負担も大きいと思います。「BIPOGRAPHY」を参考にすることで、当事者自身が病気をコントロールできるようになり、かつ周囲への説明や協力依頼を適切に行えるようになることで、支援者の方々の負担も軽減されることを期待しています。


◆国や自治体の社会保障費を削減したい

病気に人生を翻弄される人が減るということは、生活保護や障害年金を受給する人が減るということでもあり、医療費が減るということでもあります。従って、間接的かつ将来的には、国民の税負担が減る、ないしは国や自治体の予算を他の社会課題の解決に回せるという効果も期待できると考えています。


◆活動へのご支援をお願い申し上げます

近年、うつ病に続き、発達障害や自閉症への注目度が高まり、それらの分野に対する支援の幅も広がっているように思います。しかし、双極性障害はそれらの病気とは対照的なポジションにいると感じています。うつ病より更に厄介で、人一人の人生をボロボロにするだけでなく、時には周囲の人間さえも不幸に陥れる破壊力を持った病気でありながら、他の病気に比べて症状や辛さが傍から見て分かりづらく、障害の程度が実際よりも軽めに認識されていることなどが原因となり、福祉制度や支援の手が十分に届いていないと考えています。

そんな現状を変えるためには、当事者自身が動くしかないと考え、プロジェクトを立ち上げ、活動を行っています。クラウドファンディングに成功したことも、Webサイトを公開に漕ぎ着けたことも、まだ始まりに過ぎません。今後も継続して当事者の方からナレッジを募り、ナレッジベースの質と量を充実させ、この病気に人生を翻弄される人を一人でも多く減らしたい。そう強く願っています。

寄付金の使い道

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BIPOGRAPHYを運営する私たち「双極性障害ナレッジベース開発プロジェクト」は非営利の任意団体です。当団体では、Webサイトのドメイン代とレンタルサーバー代、ナレッジを提供し下さる当事者の方への謝礼として年間3~4万円を必要とし、また、より多くの当事者の方にWebサイトの存在を知ってもらい、ナレッジの提供やWebサイトの活用をしてもらうための広告費を必要としています。双極性障害に人生を翻弄される当事者を少しでも減らすために、皆様ご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

ご寄付の際、「団体からのお知らせを希望する」欄にチェックを入れて下さった方には、メールにて活動レポートを3~4ヶ月に1回お送りさせて頂きます。

https://bipography.com/

代表:白楽たまき

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