「人は変われることを、教えたい。」
2020/2/15 20:09
「人は変われることを、教えたい。」
そのように学びを振り返る生徒がいました。
名前は、たつや(仮名)。
たつやの探究テーマは「自信をもって取り組むにはどうしたらいいのか?」です。
人前で話すことは苦手、自己選択をしようとしても 「間違っているじゃないか」と常に考えてしまうし、 将来は保育士になりたいけれど果たして取り組めるのだろうか…と、 自信のある状態とはかけ離れているようにと、 彼自身が捉えていた自分自身の生きる上でぶつかった人生課題。
そんな彼は、同じ高校を卒業し、現在は保育士として働く先輩に、 手紙を書き、インタビューをする経験をします。
当時、同じように悩んでいた先輩のありありと語られる事柄と、 現在は保育士として凛々しく働いている姿に何かを感じ取ったたつや。
中間発表の時には、説明する材料が書かれているであろう 原稿をできるだけ読まずに、目の前できいてくれる人たちに 伝えようと必死なたつや。
伝えきって安堵の表情を見せた矢先、 すぐさま質疑応答に入り、慌てながらも答えます。
‐「どうして勇気をもてるようになったんだい?」
‐「何にこだわって取り組んでみたの?」
‐「これからどんな保育士を目指す?」
そんな風に質問をしてくれた大人とのやり取りを終えた たつやは、言うまでもなく充実感のある表情をしていました。
そして、授業がすべて終わり「自分の学びを、誰に、どんな風に届けたい?」と振り返った時に、たつやこう話してくれました。
「自分と同じように勇気が持てずに悩んでいる子どもたちに『人は変われること』を教えたい。」
―――
周りの大人が高校生たちに真剣に向き合うこと。
「このくらいしか発表できないのか」と思って関わるのと、 「ここまで発表できるのか。次は何に疑問を持ったのか」と思って関わるのか。
ほんの少ししか差のない関わりかもしれませんが、 高校生にとっては大きな差です。そしてその差によって、思春期を生きる10代が 「自分のことに応えてくれる人がいる」という事実を手にしていく。そのことで、自分の価値や可能性を感じられ、前に進むことができることだと、私たちは考えます。
このような経験を、一部の10代に限ったぜいたく品にすることなく、群馬の10代が手にできる当たり前のものとして手にできるよう、取り組んでいます。
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